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1つ1つの席を個性化するためにはテーブルそのもの以外に何らかの仕掛けが必要だ、ということがわかってくる。一番明快なのはテーブルか置かれている部屋の空間に正面と脇、奥と手前というような区別が含まれていることなのだが、食事の場が居間と融合してリビングングダイニングなっていることが多い現代の住宅では、そういう方向性を期待することも難しくなっている。部屋のつくり、つまり、舞台装置全体に期待できないとしたら、小道具を使って席を個性化することはできないだろうか。

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一般的に言って、主婦=妻=母親の席は厨房に近い側ということで、役割と対応させて意味づけしやすいのに対し、夫=父親の席は意味づけがしにくいが、この問題はたとえば、その席の脇に新聞や煙草の載ったサイドテーブルや、お酒の瓶が入っているワゴンを置くことである程度解決する。これは何もその席を家長的権威の象徴として「神聖化」するわけではなく、ただ、その位置を他の席とは違うものとして視覚化する演出にすぎないのだが、そういう演出を必要としていることそれ自体が、今の日本の亭主の実態を示しているのかも知れない。

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